現状としては実用には向かない状態だけれども、とりあえず書き残す。

ピックアップのようなもの

使用した材料

手順

ボビンに銅線を巻く

ワインダーの類もなく、今回は手作業で巻いていった。休み休み、およそ1100周。疲れるし時間もかかるが不可能ではない。でもこれを何度もやるのならモーターを使って巻く装置の自作を考えたほうがよさそう。

ポッティング

ただ巻いたままでは緩みやすいし、マイクロフォニック現象によりノイズやハウリングが発生しやすくなるということで、ポッティングと呼ばれる作業を行うことにした。検索すると「パラフィンワックスを用いる」と書かれていることが多い。これはロウソクの原料なのでロウソクを解かせば使えるのでは?と考え、試してみた。

ロウソクをポキポキと折りステンレス容器に入れて、湯煎で解かす。解け切ったらボビンをそこに入れる。取り出しやすいように割りばしで吊り下げてから投入した。コイル部分からしばらく気泡が出ているが、それがほぼ出なくなったところで引き上げる。

今回は温度が高すぎたらしく、引き上げてもすぐには固まらなかった。数十秒後に一瞬だけ再投入して引き上げると、ボビンや銅線が冷えたおかげて表面がうまく固まってくれた。

線材をはんだ付け

終端がポリウレタン銅線のままでは使い勝手がよくないので、とりあえず手持ちの線材をはんだ付けした。

芯として磁石を追加

細い円柱状の磁石をボビンの中空部分に挿入。そのままでは磁石が細すぎたので油粘土で隙間を埋めた。

動作確認

コイルをギターの弦に近づけて弾く。終端をオシロスコープのプローブにつないで波形を確認したところ、弦をはじいた際にそれらしい周期で揺れているのが見えた。

これでいちおうはピックアップと呼べるものが出来たと言えそうだけれども、一般的なギターのピックアップでは銅線を5~6千回以上巻いているようなので、今回の約1100回では出力が弱そうだ。銅線の径が太すぎてこれ以上は巻けなかったので、もっと細い銅線を用意したほうがいいだろう。

今後

シールドケーブルをつなげられるようにして、実際に音を出してみる。あるいは細い銅線を用意して作り直してみる。ポッティングの際の温度ももう少し管理しながらやってみたい。

参考

https://guitar-ijiri.com/blog/gakki-ijiri/guitar-pickup-potting/

https://note.com/torigoyasound/n/nbd92697a2ec2#oLCMc